AcceleDentは歯の移動を50%も早くできる?
AcceleDentは歯の移動を50%も早くできる?
先日私はAJO-DOのオンライン版を見ていました。 そこにはAcceledentの新しい臨床的エビデンスに注意を引くポップアップがありました。 私はこれをもう一度見なければならないと思いました…。
これはAcceledentのページへのリンクです。 AcceleDentをサポートする3つのRCT(ランダム化比較試験)について特に言及しているのを見ることができます。
私はこれらのトライアルを見ることに決めました。 私はこれまでにこのうち2つについてレビューしています。 ひとつは、AcceleDentの援助によってAcceleDentのコンサルタントが実施した調査で、Seminars in Orthodonticsに発表されました。 私はそのレビューの中で、私の意見ではありますが、この研究に著しい欠陥があり、なぜこのジャーナル編集者がこの論文を発表することに同意したのかいまだに理解できないと指摘しました。もう一つの論文は痛みについて調べていました。 ここでも、この研究にはプラセボが含まれていないため、これに大きな欠陥があると感じました。
私はMilesとWoodhouseによって行われたもう一つの研究についてもブログに投稿しました。 これらはAcceleDentの影響を示さなかったはるかに優れた研究でした。 しかし、AcceleDentとその主要なオピニオンリーダーは、それらを引用するように見えません。
彼らの研究に言及した論文がAngle Orthodontistに掲載されたらしいのですが、私は昨年それを見逃していました。
Chidchanok Leethanakulら
Angle Orthodontist:2016年1月、86巻、1号、74~80頁に記載されている。
彼らは、振動力を加えた後の歯肉溝滲出液中の前炎症性分子のレベルを調べるためにこの研究を行った。
彼らは何をしたか?
彼らは口腔内を2分割するランダム化試験を行った。そのPICOは、
P(参加者):矯正治療で犬歯のリトラクションを行っている19〜25歳の15人の患者(11人の女性、4人の男性)。 術者は、パワーアームとエラスティクスを使用して犬歯を移動させた。
I(介入):右側犬歯か左側犬歯かを選んで電動歯ブラシ(AcceleDentではない)から振動刺激を与えた。
C(比較):口腔内を左右で分割。電動歯ブラシによる振動か非介入か。
O(アウトカム):歯の動き。
右側犬歯か左側犬歯かが術者によって選択されたということを除けば、ランダム化の方法に関する情報は得られませんでした。 また、割り付けの秘匿(allocation concealment)やサンプルサイズの計算に関する情報も提供していません。 これらはトライアルの報告における根本的な問題です。
彼らの測定方法についても、明らかではありませんでした。 彼らは、測定の正確さが0.01mmであると述べましたが、どのように計算したのかわかりませんでした。
彼らは何を見つけましたか?
私は歯の動きのデータだけを見てみました。 95%信頼区間(95%CI)を一緒に表にしたので見てください。
Tooth movement
TOOTH MOVEMENT | DIFFERENCE | |
Control | 1.77 (95% CI 1.71-1.8) | 1.15 (95% CI 1.00-1.2) |
Vibrating toothbrush | 2.85 (95% CI 2.7-2.9) |
これによると、厳格にこの研究の範囲内で、彼らは歯の動きの量に有意差を見出した。 これは3ヶ月間に1.15mmまたは0.38mm /月でした。
私は何を考えたか?
私のアカデミックな見解では、この研究は以下の理由で著しく欠陥があると感じました。
1.サンプルサイズの計算がありません。
2.サンプルサイズが非常に少ない。 これは、介入の効果の大きさが個人間変動の大きさの影響を受ける可能性があることを意味します。
3.研究者は介入/対象の犬歯を「選択」した。 これはRCTには見えません。
4.割り付け秘匿をしていない。
5.測定方法に関する情報は限られており、エラー分析の実施方法に関する情報は提供されていません。
6.効果の大きさも考慮する必要があります。 これは3か月間で1.15mm、1か月では0.38mmでした。 これが実際に歯の動きを「スピードアップ」しているかどうかはわかりません。
最後に、AcceleDent(800〜1000ドル)を使用せず、歯ブラシ(80ドル)を使用しました。 私なら何を使うべきかを知っている、、、
Summary
このテーマに関する私の記事からエビデンスの要約表をまとめました。
PAPER | TYPE OF STUDY | OUTCOME | RESULT | PAPER QUALITY |
Woodhouse | RCT | Rate of alignment | No difference | High |
Miles | RCT | Rate of alignment | No difference | High |
Pavlin | RCT | Canine movement | 0.37mm/month | v.low |
Leethanakul | ? | Canine movement | 0.38mm/month | v.low |
Lobre | RCT | Pain | Less pain in short term with AcceleDent (no placebo) | low |
エビデンスの性質
私たちにはAcceleDentが歯の動きに影響を与えるかどうかわからない、とだけ結論づけることができます。 とはいえ、AcceleDentは「最大50%」の増加という主張において正しいです。 私のブロードバンドプロバイダーは最大200Mb / sだと主張しています、、、が、実際にはずっと遅いです。 しかし私たちは、エフェクトサイズとエビデンスの強さを決定し、このデバイスを患者に推奨(販売)するかどうかを決定する必要があります。
私はこれまでこの件について何回も投稿しました。 私が分析した論文の最も興味深い特徴の1つは、AJO-DOとJournal of Dental Researchに掲載されたより質の高い研究では効果を示していないということです。 一方、小さな効果を示すと言っている論文は著しい欠陥があるものの、インパクトが低いジャーナルで出版されています。 しかし、これは明らかに編集者の決定であり、私はコメントするつもりはありません。
最後に、AcceleDentが自社製品をサポートしていないエビデンスを引用しない理由は完全に理解することができます。 セールスマンは製品を販売するのが彼らの役割であり、彼らの主張を評価するのが臨床医の科学者として私たちの役割です。 しかし、AcceleDentを患者さんやKey Opinion Leadersに売り込んでいる臨床家からの沈黙が、何も聞こえなくしています。
専門家のソサエティが「歯をより速く動かす」という様々な方法について声明を出したことについて今がその時期かどうか疑問に思います。 AAOはセルフライゲーションのためにそうしたけれど、この種の仕事を成し遂げる上でリードしています。 お~い!そこに誰かいますかぁ?
Emeritus Professor of Orthodontics, University of Manchester, UK.